骨格モデルからスウィングを考える -2003.05.06-

研究手法の全身骨格図と胸郭部分の骨格図そしてスティックピクチャーを参照頂きたい。

骨格モデル1
  

   
パッティングはスウィングの基本運動となると思われるが、飛ばすことを目的としないため頚椎・上部胸椎を軸とした振り子運動である。
一般のスウィングとなると飛距離と方向性両者を追及する事と成るのでスウィングセンター・軸心-第七頚椎からクラブヘッドまでの多数の関節(肩関節・肘関節・手関節等)が複雑な関節運動を、調和を取って開始する。
スウィングセンターである第七頚椎辺り―上部胸椎(スウィングプレーンに対する中心軸の軸旋・回旋) -肋骨-胸骨-鎖骨-肩甲骨-上腕骨-肘関節-前腕骨-手関節-手・グリップの間は両側が関与する。基本的な二等辺三角形の保持に始まる。原型であるスモールy(正面から見た時の両上肢とシャフトの成す形)を基準とする。
  

スモールyの手関節部分・グリップ部分でコックが行われる。
 

コックの方向:シャフトのセンターラインが左肩関節方向に向かうのを基本とする。
   

スウィングガイド : 非常に理に適った練習器具で正しい関節の使い方がマスター出来る。
  
インパクトよりテークバック側は左上肢がレバーアームの役目を果たし、フォローよりフィニッシュまでは右上肢がレバーアームの役目を果たす。
スウィングセンターである第七頚椎辺り―上部胸椎(スウィングプレーンに対する中心軸の軸旋・回旋が行われる) -肋骨-胸骨間では略固定されている。
その固定された輪状体と肩甲骨は鎖骨によって連絡している。
鎖骨が言わばコンパスの役目を果たし、その両端の肩鎖関節・胸鎖関節と言う二つの関節で両者は繋がり、比較的自由な運動が許されている。肩甲胸郭関節と言い、鳥篭のような形をした上部胸郭の上をすべる様に前後・上下・斜めと動く。肩甲骨の運動:内外方運動・挙上下制・上方下方回旋等の複合運動が起こる。
  

肩甲骨が胸郭上部を色々な方向に動く事が読み取れる。
  
肩甲骨の一部に肩関節の納まる臼蓋があり、そこに上腕骨骨頭が納まる。その関節を肩甲上腕関節(所謂肩関節)と言う。
スウィングセンターである第七頚椎辺りから次なる動きの中心点は上腕骨頭中心となるが前記した如く、この間には二つの関節が存在する為、両者間の距離は多少変動する。
スウィングプレーンは一般的に首の付け根(第七頚椎)とボールを結んだ線を通る面と考えられているが両肩関節はそれよりやや下にあるのは何故か?
両側の上腕骨頭中心はスウィングセンターである第七頚椎の周りを多少の距離の変化を取りながら軸の周りを一平面状で無く上下の遊びを持ちつつ複雑な回転をする。
(例えてみればメリーゴーランドの如く:もっともメリーゴーランドの場合は両者間距離が一定であるが)
  
この複雑な動きの中で左側の上腕骨頭中心はアドレス時のスウィングプレーンのやや下に存在する位置からトップでスウィングプレーン上に収まり右側の上腕骨頭中心は他の条件に左右されてトップではスウィングプレーンより可也外れて下に収まる。他の条件とは適正なコックがトップで完了される様な形で決定される。
逆にフィニッシュでは右側の上腕骨頭中心がスウィングプレーンに載って来る。
両肩関節は前傾した軸(脊柱)に対して直角な面で回転するのではなくむしろ斜めに水平面で回転する。
  
*この運動に関しては、次なる「軸の周囲を両肩関節はどう動くか」を研究する機会に詳細を検討する予定。
  
左肩関節においては主として前挙・後挙(屈曲・伸展)、内外旋の動きが行われる。
  
上半身のこの部分にトリプルヒンジ(左肩関節・左肘関節・左手関節それぞれでのちょうばん関節様の動き)と体幹部分・上腕骨・前腕骨それぞれの長軸方向の回旋との微妙な組み合わせによる運動がある。力学的にヘッドスピードが上がると言う構造学的秘密が隠されている様に思う。力源は勿論骨盤周辺や躯幹部の大きな筋肉であるがその筋力を有効に生かすメカニズムの存在が考えられる。
左肘関節はインパクト後、適切なタイミングで折り畳(屈曲)まれる。
左手関節でコック・アンコックの動きがある。
充分なタメを生かしたスウィングがスクエアなインパクトを迎えるには力源に強力なパワーが必要と思われる。右上肢の動きについては向後の考察課題としたい。
  
骨格モデル2
  

  
スウィング軸は何?脊柱と思われる。
脊柱は真っ直ぐの一本の軸ではない。自然の湾曲がある。ベアリングの連続のような物と考えるべきと思う。
スウィング軸は骨格面からすると空中に浮いた状態。
コイリングとは上記・貝殻骨(肩甲骨)の移動と脊柱自体の捻転との両者によるもの。
文献的にはカパンディの関節の生理学によれば腰椎部で5度、胸椎部で35度、肩甲胸郭関節で40-45度 計80-85度可能とされる。下図参照。
  


  
コイリング・アンコイリング:リリースポイントを迎える前に充分なこの捻転差を作り上げる事が飛ばすための必要条件の様だ。アンコイリングを出来る限り遅らせる事が飛距離に繋がる。タイミングの良さと力源の強さが必要となる。
インパクト前に充分に腰の開きを先行させる事が必要である。インパクトで肩の開きがこの腰の開きに追いつく様だ。
  
* スティックピクチャーバードアイビュー参照:画像をQuick time playerで見て頂いてマニュアルで動かすと細かな観察が出来ます。
  

  
骨格モデル3
  


  
下半身(骨盤から下)は捩れの運動に適していない。ウェイトシフト(体重移動)と言う事に成る。すなわち両股関節の乗換え運動になる。連続運動で無い。
上二記の上半身は捻転・回転運動に適しているがそれらの運動をアシストし且つ安定した土台の役目を果たす下半身
飛ばすためにはバンプ(骨盤の飛球線方向へのスライド)の動きが必要となるようだ。
所謂ブッチハーモン氏言うところのバンプの考え方が入ってくる。
ニクラウスがツイスト・スライドアンドターンと表現したのと同じと考えられる。
  

  
骨盤部の動き
  

  
アドレス時の両股関節の位置が途中でかなり飛球線方向へ横移動している。
  
ニーアクションをスムースに行う為には膝関節の僅かな屈曲位により側副靭帯の緩みが得られ横移動が可能となる。横ぶれが可能となり股関節の高さを保ったまま可動域が増大する。(大きなフィニッシュが可能となる。) 下図参照
  

骨盤の上下動を抑えた大きな動きを可能にする。
  
アドレスでの左つま先の30-40度程度の開きも同様の効果を生み出すものと思われる。
アドレスでの左足先の開きはダウンスイング途中での充分な腰の開きを作り上げる為に必要。また飛球線方向への膝関節の屈曲も利用してニーアクションを更に行ない易くする。